一軸圧縮試験(技術資料)の特徴
1.一軸圧縮強さとは
一軸圧縮試験(unconfined compression test)は、自立する供試体に対して拘束圧が作用しない状態で圧縮する試験であり、その最大圧縮応力を一軸圧縮強さquといいます。。主として乱さない粘性土を対象としますが、練り返した試料、または締固めた土、砂質土などの自立する供試体にも適用できます。
自然状態の地盤から採取した乱さない粘性土試料を用いて一軸圧縮強さを調べ、その試料の地盤状態での非排水せん断強さsuを推定することが主な目的です。
2.試験方法の概略
一軸圧縮試験は、JIS A 1216で規定されており、円柱形供試体に毎分1%の圧縮ひずみが生じる割合で連続的に圧縮を加えます。圧縮中は、変位計で圧縮量△H(cm)と荷重計で圧縮力p(N)を測定します。その結果から圧縮応力σ(kN/m2)と圧縮ひずみε(%)を算定して応力−ひずみ曲線を描き、最大圧縮応力から一軸圧縮強さqu(kN/m2)を決定します。以下にに一軸圧縮試験方法の概略を示します。
3.結果の利用
一軸圧縮強さquから非排水せん断強さsuを推定できるため、一軸圧縮試験は現在、実用的に最も多く行われている力学試験であり、以下の表に示すようにUU条件が想定できる短期安定問題や改良土の効果判定に利用されています。
対象とする試料 | 試験の目的 | 結果の利用 |
---|---|---|
自然地盤から採取した乱さない試料。 | 自然地盤の非排水せん断強さを求める。 | 地盤の土圧、支持力、斜面安定などの強度定数に利用する。 |
締固めや化学的処理によって人工的な改良を加えた土。 | 圧縮強さを求める。 | 改良の効果の判定、改良地盤の安定性の評価に利用する。 |
4.結果の目安
正規圧密粘性土の一軸圧縮強さは、その地点の有効土被り圧と強度増加率からおおよその値は推定できます。しかし、過圧密粘土の一軸圧縮強さは有効土被り圧に対応する値より大きくなり、砂質土や中間土では応力解放の影響を強く受けて原地盤の強さより小さくなることがあります。以下の表に粘土に対する一軸圧縮強さの目安を示します。