ハンドオーガーボーリング(技術資料)の特徴
1.ハンドオーガーボーリングとは
ハンドオーガーボーリングは、地中にオーガー(切削器具)を回転圧入させて土を切削しながら地中に孔を開ける、または、試料を採取する方法の総称をいいます。
2.ハンドオーガーボーリング方法の概略
オーガーボーリングには、人力による方法(ハンドオーガーボーリング)と機械による方法があります。以下、ハンドオーガーボーリングについて説明します。
ハンドオーガーボーリングは、地表部の土質調査に適用されるもので、未固結土の観察、土質試験のための土試料の採取、観測孔設置のための削孔に用います。ボーリングの手順を以下の図で示します。
地表面下数m以内の、軟らかい〜中位の硬さの細粒土および砂質土に適する。深さが3mを超えると作業効率が著しく低下します。礫や大きな礫を含む土、硬い土、地下水面下で飽和状態にある砂および極めて軟弱な土などには、適用は難しい。
3.結果の利用
ハンドオーガーボーリングから得られた情報(土質、地下水位)は、土質柱状図に整理されます。採取された土試料では、土質試験が行われます。土質柱状図、土質試験結果は、森林の表層土調査、農地の土壌分布調査、土取場の候補地の盛土材料調査、道路や滑走路の路床調査、土壌汚染調査、地下水位調査などの用途に利用されます。
4.土質試験のための土試料の量
土質試験のために現地で採取する土の量は、原則として以下の表に示す目安の少なくとも4倍以上が必要となります。
試験方法など | 試料の最大粒径(mm) | ||||||||||
0.425 | 2 | 4.75 | 9.5 | 19 | 26.5 | 37.5 | 75 | ||||
土の物理的性質 | 土粒子の密度 | 20g(ピクノメーター容量100ml以下) 40g(ピクノメーター容量100mlより大) |
- | ||||||||
土の含水比 | 5〜10g | 10〜30g | 30〜100g | 150〜300g | 1〜5kg | 5〜30g | |||||
土の粒度 | 200g | 400g | 1.5kg | 6.0kg | 30kg | ||||||
土の液性限界・塑性限界 | 230g | - | |||||||||
砂の最少密度・最大密度 | 500g | - | |||||||||
土の力学的性質 | 突固めによる土の締固め | 内径モールド10cm | a.乾燥法・繰返し法 | 5kg | - | ||||||
b.乾燥法・非繰返し法 | 3kg×組数 | ||||||||||
c. 湿潤法・非繰返し法 | 3kg×組数 | ||||||||||
内径モールド15cm | a.乾燥法・繰返し法 | 8kg | |||||||||
15kg | - | ||||||||||
b.乾燥法・非繰返し法 | 6kg×組数 | ||||||||||
c. 湿潤法・非繰返し法 | 6kg×組数 | ||||||||||
CBR | 5kg×組数 | ||||||||||
土の透水 | 3kg(標準供試体) | - |
試験方法 | 試料の最大粒径(mm) | 備考 | ||
2以下 | 5以下 | 10以下 | ||
土懸濁液のpH | 30g | 100g | 150g | 炉乾燥状態で考えた質量 |
土懸濁液の電気伝導率 | 30g | 100g | 150g | |
土の強熱減量 | 2〜10g | - | 炉乾燥状態の質量 |
5.ハンドオーガーボーリングの関連試験機
- 試験採取と器具
- ハンドオーガー(刃先別) S-101
- 交換用刃先 ポストホール型 S-103
- 交換用刃先 スクリュー型 S-104
- 交換用刃先 グラベル型 S-105
- 交換用刃先 スパイラル型 S-106
- 交換用刃先 ビット型 S-107
- 交換用刃先 カニ型 S-108
- 交換用刃先 泥土採取型 S-109
- 交換用刃先 箱型 S-110
- サンプリングセット S-111
- 円筒打込サンプラー コアカッター法 S-112a
- 円筒打込サンプラー 打込カッター法 S-112b
- 採土円筒 S-113
- 土壌硬度計(山中式) S-117
- 土壌酸度測定器 S-118
- 試料円筒 S-119
- 地質試料箱 箱のみ S-120
- 試料分取器 S-122
- 安定処理土用静的締固めモールド LS-326
- 砂の最小・最大密度試験容器 LS-327