スウェーデン式サウンディング試験(技術資料)の特徴
1.スウェーデン式サウンディング試験とは
スウェーデン式サウンディング試験は、荷重による貫入と回転による貫入を併用した原位置試験であり、土の静的貫入抵抗を求めるために行います。ここでの静的貫入抵抗とは、以下に示すWSWとNSWの総称です。
①WSW:貫入開始後、1000N以下で貫入に必要な最低荷重(N)。
②NSW:WSW=1000Nの荷重で貫入が止まった後、回転により所定の目盛線まで貫入させたときの半回転数から換算した貫入量1m当たりの半回転数で表した静的貫入抵抗値(回/m)。
この試験方法は、深さ10m以内の軟弱層を対象に、概略調査または補足調査などに用いられますが、密な砂質土層、礫・玉石および硬い粘性土層などには適用できません。
この試験方法は、JIS A 1221「スウェーデン式サウンディング試験方法」として規格化されています。
2.試験方法の概略
下図に試験手順の概要を示します。試験は、まず専用ロッドの先端にスクリューポイントを取り付け、調査地点に鉛直に立てます。次に段階的に所定の荷重(50N,150N,250N,500N,750N,1000N)を載荷して、各載荷段階の貫入量を測定します。1000Nの荷重を載荷しても貫入しないときは、ロッドを回転させ、目盛線まで貫入させるのに要する半回転数を測定します。
3.結果の利用
試験結果は、土の硬軟または締まり具合を判定するとともに軟弱層の厚さや分布を把握するのに用います。最近では、戸建住宅など小規模構造物の支持力特性を把握する地盤調査方法として広く普及しています。
4.結果の目安
スウェーデン式サウンディング試験とN値との関係は以下のように提案されています。
礫・砂・砂質土
N=0.002WSW+0.067NSW
粘土・粘性土
N=0.003WSW+0.050NSW