地盤の平板載荷試験(技術資料)の特徴
1.地盤の平板載荷試験とは
平板載荷試験は、原地盤に剛な載荷板を設置して垂直荷重を与え、この荷重の大きさと載荷板の沈下量との関係から地盤反力係数や極限支持力などの地盤の変形および支持力特性を調べるための試験です。
平板載荷試験のうち、構造物基礎などの設計および設計条件の確認のための試験として、JGS 1521「地盤の平板載荷試験」が規定され、道路の舗装、路盤、路床の設計および施工管理のための試験としてJIS A 1215「道路の平板載荷試験」が規定されています。
2.試験方法の概略
試験は直径300mm以上の剛な載荷板にジャッキにより垂直荷重を与え、載荷圧力、載荷時間、沈下量を測定します。(下図)
載荷方法は、荷重制御による段階式(1サイクル)載荷あるいは段階式繰返し(多サイクル)載荷の方法が用いられます。
試験終了後、時間−載荷圧力曲線、時間−沈下量曲線、載荷圧力−沈下量曲線、載荷圧力−残留沈下量、徐荷量曲線関係測定結果を整理します。
3.結果の利用
平板載荷試験結果の載荷圧力−沈下量関係は、構造物基礎の支持力−沈下の検討に用いられますが、試験結果により求まる支持力特性は、以下に示すように載荷板直径の1.5〜2.0倍程度の深さの地盤が対象であるため、試験結果をそのまま実物大規模の構造物基礎の設計には適用できない。
基礎の支持力や沈下は、基礎の根入れ、形状、大きさ、剛性、地盤構成、地下水位、載荷重、載荷時間などのいろいろな条件に支配されます。
(1)許容支持力を求める場合
許容支持力を求める場合、以下の方法のいずれかが利用されることが多い。
a.「建築基準法施行令・国土交通省告示第1113号」による場合
b.「建築基礎構造設計指針」による場合
c.「道路橋示方書・同解説」による場合
(2)即時沈下量を求める場合
試験結果から推定する方法と弾性論から変形係数を求める方法などがあります。