土の粒度試験について(技術資料)の特徴
1.粒度とは
土を構成する土粒子の粒径の分布状態を粒度という。粒度は横軸に粒径を、縦軸にその粒径より小さい粒子の質量百分率を示した粒径加積曲線で表わされ、粒度は、土の物理的性質や力学的性質と密接な関係があります。
【土粒子の粒径区分と呼び名】
粒径は次の値で表す。
a.粒径0.075mm以上の粗粒分の粒径:その粒子が通過できる金属製鋼ふるいの目開きの寸法。
b.粒径0.075mm未満の細粒分の粒径:水中を降下する速度が同じである球形粒子の直径。
2.試験方法の概略
試験は、高有機質土以外で、粒径が75mm未満の土を対象とします。
試験の手順を以下に示す。まず、試料を粒径により2mm以上と2mm未満の2つに分けます。粒径2mm以上の土粒子は水洗いを行った後、ふるい分析を行い、粒径2mm未満の土粒子は沈降分析を行った後、粒径0.075mm以上の土粒子を水洗いし、ふるい分析を行います。
3.結果の利用
土の工学的分類のための指標を与える。また、土の締固め特性や透水性および液状化強度などの力学的性質の推定、建設材料としての適性の判定や掘削工・基礎工などの施工法の決定に利用できます。
4.結果の目安
土の粒径加積曲線は、以下の図に示すように土粒子の粒径の分布する範囲と分布の特徴が一目でわかるものであり、それにより土の粒度特性が判断できます。
【土の粒径加積曲線の例】
粒度による土の一般的特徴
a.細粒分が多い土
b.粒径がせまい範囲に集中している(分級された)締固め特性の悪い土
c.粒径が広い範囲にわたって分布する(粒径幅の広い)締固め特性の良い土