土の液性限界・塑性限界試験(技術資料)の特徴
1.土のコンシステンシーとは
細粒土は以下の図に示すように、含水量の多少によりドロドロした液体状、ネバネバした塑性体状、ボロボロとした半固体状、さらにカチカチの固体状になります。このような土の含水量の変化による状態の変化や変形に対する抵抗の大小を総称してコンシステンシーといい、練返した細粒土のそれらの状態の変化する境界の含水比をそれぞれ液性限界(Liquid Limit:wLまたはLL)、塑性限界(Plastic Limit:wPまたはPL)、収縮限界(Shrinkage Limit:wSまたはSL)と呼びます。これらを総称してコンシステンシー限界といい、以下のように定義されています。
a.液性限界wL(%):土が塑性状から液状に移るときの境界の含水比をいう。
b.塑性限界wP(%):土が塑性状から半固体状に移るときの境界の含水比をいう。
c.収縮限界wS(%):土の含水比をある量以下に減じてもその体積が減少しない状態の含水比をいう。
2.試験方法の概略(JIS A 1205)
a.液性限界試験:試料を入れた黄銅皿を1cmの高さから1秒間に2回の割合で落下させ、落下回数が25回の時、二分した溝の底部が長さ1.5cmにわたり合流するときの含水比を求めます。
b.塑性限界試験:液性限界試験で用いた同じ試料の塊を、ガラス板上で手のひらで転がしながら直径3mmにした時、ちょうど切れぎれになるときの含水比を求めます。
3.結果の利用
液性限界、塑性限界および塑性指数から、土の物理的性質を推定することや、塑性図を用いた土の分類などに利用されます。
4.結果の目安